中国で4年ぶりとなる「北京モーターショー」が開幕。主役はEVなどのいわゆる新エネルギー車で、過去最多となる278車種が展示されている。注目は低価格とハイスペックを打ち出したスマートEV。中国の大手スマホメーカー「シャオミ」のEVは車の中から自宅の家電を操作できるなど米国・テスラを上回る性能をうたい、価格も割安なことから中国で人気という。センスタイム社のAIを活用したスマートコクピット。一方日本企業も中国消費者を意識した新型EVを発表。トヨタ自動車は中国・テンセントとの戦略提携を発表。テンセントが得意とするAIビッグデータなどを活用し中国向けEVに搭載し巻き返しを図る。2023年自動車販売台数で中国に50万台近くの溝を空けられた日本。特に中国市場ではトヨタ、ホンダ、日産とも前年を割り込む販売台数となり、中国メーカーに対抗できるEVを打ち出せずにいる。こうした中厳しい状況なのが日系サプライヤー。1995年に中国に進出した自動車部品メーカー「ユタカ技研」。広東省と湖北省の2拠点で親会社のホンダに提供する排気部品のマフラーなどを生産している。ユタカ技研における事業は海外事業の売り上げ全体の半分近くを占めるが、ここ数年中国で急速に進んだEVシフトが業績に影響し始めている。こうした中日系メーカーだけでなく中国メーカーにも販路拡大を狙って始めたのがEVの心臓部分と言われるモーターのコア部品。今後は中国メーカーにも売り込むことを見据えて大型機械を導入した。現在ユタカ技研では中国のEVへのシフトをチャンスと捉え、現在交渉などの段階に入っているという。