米国のエンターテインメントで最も権威のある賞の一つ「エミー賞」。俳優の真田広之さんがプロデュースと主演を務めたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が、ドラマ部門の作品賞を受賞した。真田さん自身も主演男優賞を受賞した。真田さんは「スタッフ、キャストの皆さんありがとう。みなさんを誇りに思う」とコメント。「SHOGUN 将軍」はほかにも監督賞や撮影賞など、計18の賞を受賞。1つのシリーズの番組としては最多の受賞を記録。「SHOGUN 将軍」の舞台は戦国時代の日本。真田広之さん演じる徳川家康をモデルとした架空の武将と、その家臣となった英国人航海士を巡る物語。せりふの大半は日本語。米国では異色の作品。激動の戦国時代の物語を壮大なスケールで描いている。ハリウッドの大手スタジオがカナダに巨大なセットを建設し、最新のVFXを駆使しながら、約1年にわたり撮影が行われた。今回、真田さんはハリウッド作品では初めて主演とプロデュースを務めた。日本から見てもおかしくない「本物の日本を描きたい」という思いから、演技の所作などを監修したほか、衣装やタテなど、各分野に通じた専門家を起用。リアリティーのある時代劇とアクションシーンが高く評価されていた。真田さんは「時代劇を継承して支えてきてくれたすべての方々、監督や諸先生方に心から御礼申し上げる」と語った。ドラマ「SHOGUN 将軍」の主人公のモデルとなった徳川家康ゆかりの愛知・名古屋市・徳川美術館には、尾張徳川家が実際に使用していた品物が並んでいる。この美術館には、「SHOGUN 将軍」を見たという多くの外国人観光客が。挙となった今回の受賞。会見で真田広之さんは、「日本のコンテンツに続いてほしい」と思いを語った。米国メディアは「主に英語ではない言語が使われたドラマが作品賞を受賞したのは初めてだ」としているほか、「歴史的な転換点として記憶されるだろう」と伝えている。米国では、有名な女性ラッパーが日本語で歌って、SNSで世界中に拡散され、流行する現象も起きている。アニメや映画にとどまらず、今回の受賞や音楽を通じて、日本への関心がさらに高まっている。