石川・志賀町最大級のスーパー。大地震2日後から被災者のためにと営業を始めた。しかし、店内には震度7の爪痕が。食品売り場では隆起したままの床。各所で天井が剥がれ落ちていた。併設するホームセンターでは棚が倒れ、今も一部で立ち入り禁止に。被害を把握したのは今年最初の営業日1月3日朝。従業員約50人も被災者でありながら片付けを行い、その日の午後には食品売り場の営業を再開した。ただ、鮮魚部門では苦労も。店は約3週間が経っても断水が続く。包丁やまな板を洗う時はペットボトルの水を少量ずつ使っている。断水で衛生面に気を遣っていた。さらに惣菜部門では断水の影響でご飯が炊けず問屋から炊いたご飯を取り寄せて作っているという。それでも断水で食が制限された被災者にとって惣菜はありがたい存在。多くの人が「洗い物をしなくて済む」と話していた。この日、店では社長考案のポスターが掛けられ開店。取材中には日常を取り戻しつつある人にも出会った。志賀町在住の田中光代さんが玄関などが壊れるも自宅で生活。風呂場で夫が行っていたのは水漏れの応急処置。ただ、まだ断水中。夫の両親との昼食はカップ麺と白米で洗う食器を減らしていた。おととい、店では地震以降初の寿司や海鮮丼が並んだ。そしてスーパーの外で行われていたのは地震で壊れていた水道管の修復工事。この水道管が治ればスーパー全体に水が行き渡るという。店内では待ち焦がれた水道水に感動が。大きな一歩を踏み出した被災地のスーパー。地域のため奔走し続ける。