性同一性障害で男性から性別変更した40代の会社員の女性が、性別変更前に凍結した自身の精子を使ってパートナーの女性との間に生まれた子どもとの法的な親子関係が認められるかが争われていた裁判である。2審の東京高裁は一昨年、性別変更後に生まれた次女との親子関係を認めない判決を言い渡した。最高裁はきのう2審判決を取り消し、次女との親子関係を認めた。最高裁は「血縁上の父と子の関係は、法的性別が男性か女性かによって異なるものではない」としたうえで「法的性別が女性だという理由で、看護・養育・扶養を受けることなどできないのは、子の福祉・利益に反するのは明らか」と指摘した。血縁のある父親が性別変更後にもうけた子どもとの親子関係について、最高裁が判断を示すのは初めてである。親子関係が認められた女性は「子どもの権利を考えた上で、今の時代にアップデートされた判決だ」などとコメントしている。