2年前に悪性リンパ腫を発症した男性は国会で議論されている高額療養費制度の見直しについて不安を抱いている。高額療養費制度は手術や入院など1か月の医療費が上限額を超えると払い戻される仕組み。政府は保険制度維持のため、今年8月以降、上限額を段階的に引き上げる方針。しかし当事者や野党、また連立を組む公明党からも患者が治療を断念せざるを得ない状況になるのではという懸念の声が出ている。ただ石破総理は反対の声に反省はあるとしつつも、8月からの引き上げ方針は譲らなかった。石破総理は引き上げ実施理由について「急速な高齢化によって保険者の負担が増加していて、患者団体の声はもちろん聞いたうえで、ほとんど議論になっていない保険料を支払っている人達の意見も聞いていくべき」など主張した。厚生労働省は患者が自己負担する上限額を引き上げた場合、現役世代が支払う保険料の負担は軽減されるとしている。2年前から悪性リンパ腫と闘う男性。ここまでの治療費は約6000万円→高額療養費制度に助けられてきたという。2度の骨髄移植を経て今月退院できる見通しだが「再発の危険性や保険に入れないことなどからいつかは治療を諦めないといけない。高額療養制度に関しては触れてはいけないと思います」と話した。2人の子を育てる肺がんの患者も再発や治療疲れに加え治療費が上がることへの不安を訴えた。