茨城県笠間市の愛宕神社できのう行われたのは、日本三大奇祭の1つともされている「悪態まつり」。白装束に身を包んだ天狗が山道を歩きながら祠にお供え物をして回る行事だが、どんな悪口を叫んでもお咎めなしということで、参拝客が次々天狗に罵声を浴びせる。一説によると、地元の領主らが住民の不満を悪態の中から探ろうとしたことが由来だとか(諸説あり)。ということで世相を反映した不満などを次々天狗にぶつけていく。ある男性はわざわざ東京から参加したという。叫んでいたのは仕事の不満だった。コスプレ姿で参加した人も。一方、参拝客から次々罵声を浴びせられる天狗たち。言い返すことは愚か、話すことも禁じられている。今年初めて天狗に選ばれたという菅谷さんは「弟が急遽熱が出て、誰かがやらないといけないので…」と話す。また、大越さんは「なかなかできることじゃないので光栄な気持ちもいくらかある」と話す。天狗は様々な罵声を浴びながら黙々と山道を歩く。一方、祭りでは「給料上げろー!」と叫ぶ女性たちだが、「後ろにボスが居る」という。天狗たちが巡礼を終えるといよいよメインイベント「餅まき」。ここでも参拝客の罵声を浴びた天狗たち。祭りは「バカヤロー」三唱でフィナーレを迎えるはずだったが、噛んでしまい最後の最後まで罵声を浴びる結果となった。祭り終了後、天狗を演じた男性に話を聞くと「こんなに罵声を受けると思ってなかった。とても楽しく辛かった」と話す。「悪態まつり」は毎年12月の第3日曜日に開かれ、来年は12月21日に開かれる予定。