ブラームスのドイツ・レクイエムという曲を歌っているのは、ロサンゼルス近郊で活躍する市民合唱団パサデナ・コラール。全米のコンクールで優勝したことある実力派の合唱団。去年1月にロサンゼルスで大規模な山火事に見舞われ活動拠点を失った。音楽を通じて街に希望を届けたいと活動を続けた合唱団の1年を追った。山火事では、31人が死亡し、1万6000棟超えの建物が全焼。約1ヶ月後、合唱団は新たな練習場所を借りて活動を再開させていた。メンバーの中には、火災で家を失い避難生活を強いられる人も少なくない。音楽監督を務めるジェフリー・バーンスタインさんは、住んでいた自宅が全焼。癒えない悲しみの中、歌い続けることがメンバーの心の拠り所になると感じていた。火災から2か月、焼けた街をバーンスタインさんに案内してもらった。この街だけで被災した住宅は約6000棟にのぼる。活動拠点だった教会は、外壁の一部が残り瓦礫はほとんど手つかずのままだった。インタビューの途中、教会に飾られていた折り鶴を見つけた。火災から半年が過ぎて、瓦礫の撤去が進み住宅の再建が始まった。そして11月、合唱団は隣町でコンサートを行った。テーマは「悲しみと癒やし」。被災した地元の人達も訪れた。曲目は、ブラームスのレクイエム。亡くなった人だけでなく、悲しみに暮れる生きている人に向けた慰めの歌。火災から1年、バーンスタインさんが今取り組んでいるのは、再建に向かう町をテーマにした曲作り。「曲を通じて町への愛を思い出してみんなで一緒に町を再建したい」等と話した。
