室井は1997年から放送され「踊る大捜査線」シリーズのキャラクター。主演の織田裕二演じる現場の刑事、青島俊作と出会い、立場を超え共に警察組織の開拓に挑むことを誓う警察官僚。高校卒業後、秋田か上京した柳葉は1984年に音楽デビューし、その後月9のトレンディードラマで一躍人気になった。笑顔の多いポップな役を得意としていたが、36歳の時笑顔を封印して挑んだ新境地が室井慎次だった。当時、フジテレビの球体展望室で婚約発表会見を行っていた。笑わない役をつまらないと感じ殉職願いも出したが、奥さんの「この役かっこいいね」という一言で続けようと思ったという。その後、映画がスピンオフを含めて6作品も公開。累計動員数は3598万人、累計興行収入は487億円。しかし、「室井慎次を払拭したい、室井慎次を大事にしたい」という思いのせめぎ合いに苦しんできたという。12年ぶり、最後の室井を演じた今作は出演を躊躇し、3回目のオファーでようやく決意したという。決め手となったのはドラマ時代から脚本を手掛ける君塚良一氏の「あなたを室井から解放させてあげたかった」という言葉だった。