杉田は手術から9日後のこと、動かないはずの右足の指が動いていた。脊髄の辺縁の一部分の神経が残っていたために順調に回復していったが、杉田はラグビー部員のお見舞いで誰もがすぐに帰っていく気がしていた。その後、杉田は脊髄専門患者の病院に転院して手足も動かせるようになった。その一方で杉田の心はすさみ、慶應大学は8年ぶりのラグビー日本一に王手をかけていた。試合も観に行った杉田だったが、その日からラグビー部との連絡を絶ったという。
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