東北でも近年豪雨災害が激甚化・頻発化しており、去年7月には山形県各地で大きな被害を受け、戸沢村では川が氾濫し収穫前の田んぼなどに土砂が流れ込むなど大きな被害が出た。今年の4月に被害を受けた地区の住民が用水路の土砂を撤去してなんとか田植えにこぎつけたが、記録的猛暑に加え雨の少ない状態が続き村内ではコメの生育に影響が出た。農家の安食喜一郎さんは70年以上コメ作りをしてきた。8月初旬、前の月から猛暑や少雨が続き土壌は乾燥し、一部の稲は黄色に変色して根本から枯れていた。田んぼに水を供給するはずの近くの沢や川の水位が大幅に下がり、2週間ほど前から水が供給できない状態だった。これには去年の豪雨も影響しており、川の取水口付近に撤去されない土砂が溜まり水が十部に流れていかなかった。安食喜一郎さんは急遽ポンプを購入、別の小川から24時間大勢で供給を試みたが水量がまったく足りなかった。戸沢村に待望の雨が降ったが土壌のひび割れに取り込まれ田んぼ全体に行き渡らず改善には至っていない。既に品質・収穫量に影響する出穂期に入っていた。不安を抱える中で迎えた9月下旬の収穫、実が入っていないもみ殻はあたりに飛散していた。収穫量は例年に比べ約4割減少し赤字。本来は1つの田んぼで4回ほど満タンになる収穫器のタンクは一度も満タンにならなかった。県全体での収穫量はコメの値上がりを背景に農家が増産する流れが強まったことなどで例年と比べやや増加傾向だったものの、安食さんの田んぼでは例年より約3割減少し、地区では同様の影響を受けた農家の被害も相次いでいる。安食さんのような田んぼは沢水・小さな河川を利用している場合が多いため、高温・渇水の影響をうけやすい。このような中山間地は全国の耕地面積の約4割を占めており、地形に傾斜があるため田んぼの区画整理や水路を作るなど対策が簡単でないこともある。全国ではICT技術を活用して田んぼの水の量をリアルタイムで把握したり、遠隔操作で自動給水システムを導入する場所もあるが地域差や遅れもある。山形では暑さに強い新たな品種の開発も行われている。新品種「ゆきまんてん」は8月に高温の状態が続いても穂の中に実が入りやすいという。
