フィリピンのEEZ(排他的経済水域)の内側にあるものの中国が実効支配を続けている南シナ海のスカボロー礁について、中国政府は今月10日、領海を示す根拠となる「領海基線」を一方的に発表した。これに対してフィリピン国家海事評議会はきのう声明を発表し、領海基線について“国連の海洋法条約の定める基準と条件に沿って適用されるべきだが、スカボロー礁はその条件を満たさない”と指摘し、“中国の発表は法的根拠を欠き効力はない”と非難した。そのうえでフィリピン外務省は中国側に抗議した。フィリピンは今月8日、みずからの領海などの範囲を規定する法律を制定し、国際法の基準に沿った内容だと訴えていて、国際社会にフィリピンの主張への理解を呼びかけるねらいがあると見られる。