損保大手4社による価格調整問題は約16年ぶりとなる異例の一斉処分に発展した。対象は東京海上日動火災保険・損害保険ジャパン・三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険。4社は「企業向け保険」で保険料を事前調整しており、金融庁は価格調整など不適切な行為が確認できた契約先は576件としている。問題の原因として金融庁が特に注目しているのは経営陣の対応。企業向けの保険では新規契約が難しい中で営業担当者に利益を求める圧力があるなど競争を避けて価格調整する動機が生まれやすい環境があった。にも関わらず経営陣が具体的な対応をとらなかった点について「特に悪質」と指摘している。