アメリカのルビオ国務長官は対外援助を管轄するUSAID(アメリカ国際開発庁)の事業を停止すると発表した。途上国での人道支援活動などへの影響が懸念されている。ルビオ国務長官はこれまでのUSAIDの事業について「開発目標はほとんど達成されず、不安定化は進み、反米感情が高まった」と批判している。今後については「政権の政策と一致し、アメリカの国益を促進する対外援助は国務省が管理する」などとし、対外援助は対象や期間を絞った形で行う考えを示している。今年1月に発足したトランプ政権は政府の支出削減に向けて“政府効率化省”を設置し、USAIDをめぐっても職員の解雇や事業の見直しを行ってきた。イギリスの医学雑誌「ランセット」は先月、USAIDの資金削減によって2030年までに1400万人以上の死者が出る恐れがあるとする論文を発表していて、事業の停止による途上国での人道支援活動などへの影響が懸念されている。