福井県敦賀市、県の南西部には原子力発電所が集まりこの地域は「原発銀座」とも呼ばれている。自然豊かな敦賀半島を進んだ先に現れたのが、新型転換炉ふげん。多様な燃料を効率的に使う国産技術の原子炉で、2003年まで約25年間にわたり稼働した。現在は原子炉周辺の設備の解体を中心に、廃炉作業が進んでいる。敷地内にある倉庫に保管されていたのは、廃炉作業で生まれたクリアランス金属。放射性廃棄物のうち、放射能レベルが低く健康への影響がほとんどないものは国の認可と確定を経て、一般の廃棄物として再利用または処分が認められている。今後の廃炉作業も含め、ふげんから出る廃棄物は約36万トン。再利用可能な金属は約4000トンと試算され、これまで約722トンがクリアランス金属として国から確認されているが、人への影響はないのか。簡易的な装置で放射性物質の有無を調べて見ると、針はほとんど動かない。