活動実態のない宗教法人が脱税などに悪用されるのを防ぐため、文化庁は、都道府県に対し、不正が疑われる場合は、宗教法人の解散命令を検討することなどを定めたガイドラインの案を初めて策定した。信者の減少や後継者不足などで、活動実態がない宗教法人が増える中、お布施やさい銭が非課税となるなどの税制上の優遇措置を悪用した脱税や、マネーロンダリングがあとを絶たない。宗教団体の目的を著しく逸脱し、不正が疑われる宗教法人には、解散命令を検討するほか、警察や国税庁との連携を強化し、捜査に必要な役員名簿や収支計算書などの情報共有を図ることを求めている。また、登記の変更や代表者の犯罪歴などを、文化庁が一元的に収集し、都道府県に提供する取り組みも行うという。ガイドラインの策定にあたって、全国の宗教法人の1割を対象に初めて行ったアンケートでは、「宗教法人を売ってほしい」などのアプローチを受けたケースが全国で277件確認されたという。一方で、信教の自由などから宗教活動かどうかを見極める基準には慎重な検討が必要で、今後、文化庁は、有識者らの意見も踏まえたうえで、年内にもガイドラインをまとめることにしている。
