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今回は旧奈良監獄を特集。国の重要文化財に小関裕太が巡る。
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オープニング映像。
1300年の歴史を刻む奈良。奈良公園にやってきたのは小関裕太。雑誌で名建築を巡る連載を持つほど美しい建物が好き。奈良公園から車で15分ほどの場所の住宅街に向かうと、300mほどの重々しい塀が現れた。今日の作品は山下啓次郎設計の旧奈良監獄。甲子園球場2.5個分という広大な敷地で明治建築の偉業を伝える姿がほぼ完全な形で残されている。5つの収容棟が放射状に伸びる独特な構造。2017年にその貴重な建物を守るためにに重要文化財に指定された。その顔と言えるのが層煉瓦造の表門。玉ねぎ型のドーム屋根に、壁面を彩るのは赤レンガを重ねて凹凸をつけたロンバルト帯。花崗岩の白い輝きが見事なコントラストとなっている。その先に5つの周到棟をつなぐ正面庁舎がある。西洋建築風の赤レンガが印象的。その中は白壁の長い廊下で、その奥に待っていたのは5つの収用棟をすべて見渡せる中央看守所があり、当時は看守がここに交代制で立ち、24時間見張っていたという。上の廊下を支える構造は持ち送り装飾で、2階の廊下を支えるための補強材に装飾を施したもの。ハヴィランド・システムと呼ばれる監獄ならではの構造で、200年前にアメリカの建築家のジョン・ハヴィランドがフィラデルフィアでイースタン州立刑務所を建築。確実で効率的な看守法として考案した。
独居房の分厚い木の扉が並び、一つの収用棟は2階建てで5つ合わせて650人が収容できる大規模な監獄だった。天窓を支える金具も機能を超えた美しさを醸し出した。その独房の中は三畳一間で、白漆喰の壁に板張りの床。洗面台がついてアーチ型の窓からの光が差す。
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江戸時代に使われた奈良奉行所の座敷牢が敷地内に移設されている。小さな空間に何人もの罪人を詰め込んだかつての牢獄はキリギリスを入れる虫かごになぞらえて、ギス監と揶揄された。しかし日本が近代化で生まれ変わるために、新しい監獄の建設が急務だった。それを任されたのは司法省に所属する建築士だった山下啓次郎で辰野金吾の愛弟子。山下啓次郎は欧米8国、30以上の地域の監獄を視察したが、監獄は人を更生させるための施設であるという信念のもと、長崎や奈良などの大規模な監獄の近代化を一手に引き受けた。以来100年以上にわたって使われた奈良監獄。2017年にその役割を終えると、明治の貴重な建築美を後世に残そうと重要文化財に指定された。
国がタッグを組んだのは数々の高級リゾートを手がけるホテル運営のエキスパートの星野リゾート。重要文化財を民間のノウハウで維持していくプロジェクトが日本で初めてスタート。三畳ほどの独居房10室分が一つにつながり、豪華なスイートルームに大変貌した。モダンなデザインのゆったりとした浴室。各部屋に機能の割り振って、設計されている。改修時に白漆喰を剥がすと中の赤レンガがあらわれる。それをいかしている。国から星野リゾートが運営を請け負ってその収益の一部をメンテナンス費用に当てる仕組み。しかし問題には、重要文化財に手を加えるのは壁面を少し塗り直すだけでも厳しい承認作業が必要だった。原則的には重要文化財の大胆な改修はほぼ不可能。
重要文化財の旧奈良監獄。その建物はラグジュアリーに生まれ変わった。そこには文化財保存の秘策が。小関が次に向かったのはかつて受刑者たちが集会を開いていた講堂。改修によって、宿泊客が滞在中に自由にくつろげるメインラウンジになった。立派な梁を見せたかった星野リゾートと、建物をなるべくそのままにして保存しておきたい文化庁でせめぎあいがあったという。その結果収容棟の一つと、中央の看守所は当時のまま。その他には手を加え、全部で48室のラグジュアリーな空間に。
参考にしたのがイギリスのマルメゾン・オックスフォード。150年前の監獄が4つ星ホテルに。中庭は簡素な通路があるだけだったが、幾何学模様の小道をジグザクに浮かせて建物間を美しく繋いだ。ダイニングラウンジは、食用品を保存していた保管庫だった。中庭の風景を楽しむため大きな窓を設けた。
星のや奈良監獄では明治時代に日本に入ってきた西洋料理を一口サイズに鶏肉のクリームコロッケやフォアグラのテリーヌ。時計がモチーフになっていて針は午後5時10分をさしている。
星のや奈良監獄で提供される前菜は時計がモチーフになっていて針は午後5時10分をさしている。その意味は、受刑者達の夕食時間だった。建物内では、現代のアーティストの作品を展示。
新美の巨人たちの次回予告。
「スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~」の番組宣伝。
