児童や生徒にタブレット端末などが1人1台配備され授業で活用されるなか、学校内の通信速度の低下などが課題となっているとして、文部科学省はネットワーク環境の改善に必要な支援を行う方針を固めた。公立の小中学校では、1人1台にタブレット端末やパソコンなどが配備され、授業や家庭との連絡などに活用されている。一方で文部科学省が去年、全国の公立の小中学校と高校の約3万2000校を対象にネットワーク環境を調べたところ8割近くの学校が国が推奨する通信速度を満たしていないことがわかった。大規模な学校ほどこうした傾向にあり、多くの児童や生徒がタブレット端末などを同時に使うことが原因とみられるという。今後も学校現場ではこうした端末の幅広い活用が想定されることから、文部科学省は公立の小中学校と高校に来年度から支援を始める方針を固めた。具体的には通信速度などの調査や回線契約の切り替えにかかる初期費用を補助するなどにしている。また今後、校内での業務に使用するクラウドシステムを各都道府県で統一して整備することを想定し、各学校のネットワーク環境の実態調査などを支援する方針。文部科学省は、これらの関連費用として88億円を来年度予算案の概算要求に盛り込むことにしている。