今週、仏・国民議会では内閣不信任案が可決されてバルニエ内閣は総辞職に追い込まれた。バルニエ内閣が年金増額の先送りなどの緊縮予算案を強行採決したことをきっかけに、左派の左派連合と極右政党の国民連合が手を組み、今回の不信任決議に至ったという。専門家によると、今回の総辞職でマクロン大統領が新たな首相を任命しても少数与党であることに変わりはなく、不安定な政権運営が続くとみられている。またマクロン氏が外交面で思い切った施策を取りづらくなるリスクも残っている。外交面での懸念の1つがトランプ次期大統領への対応で、第1次政権時のように再び貿易問題でEUと対立する可能性がある。今回取り上げているフランスやドイツなどEUの政策決定に強い影響力を持つ国の内政が落ち着かなければEUの結束力に影響が出る可能性があり、そうなると次期トランプ政権に対抗して交渉できなくなる恐れも出てくる。