高速道路のサービスエリア内で公開された自動運転の実証実験。国やトラックメーカーなどが参加して、先月から始まっている。今後、国が道路側に設置するセンサーや通信機器を活用して、サービスエリアから本線に合流させる実験なども行う予定。再来年度以降、高速道路でドライバーがいない状態での自動運転を実現させることを目指している。自動運転の実現に取り組む背景にあるのが、物流の2024年問題ともいわれる人手不足の深刻化。ドライバーの時間外労働の規制強化で、6年後には輸送能力が34%不足するという推計もある。こうした中で、自動運転のうち、ルートなど特定の条件のもとでドライバーが不要となる「レベル4」が去年4月に解禁され、実用化に向けた機運が高まっている。物流大手「セイノーホールディングス」「佐川急便」やベンチャー企業「T2」なども、自動運転を行う大型トラックの開発を進めている。トラックは荷物の重さや積み方で車体の重心が変わるため、自動運転でのハンドルの制御には、重さの違いなどを考慮する必要がある。積み荷の量や種類を変えて精度を高め、3年後、2027年の実用化を目指している。一方で、万が一、事故が起きたときの法的責任に関するルール作りも課題になっている。原因に応じて運行事業者、開発したメーカーなどが刑事や民事上の責任を負うことも想定されていて、関係省庁で議論が進められている。