なぜエレベーター待ちはイライラするのかという疑問。千葉大学の一川教授によると、信号待ちなどに比べ体感時間が長いからだという。人間は活動している間、脳内でパルスと言う神経信号が一定のペースで発信されている。この信号は注意ゲートを通って体感時間を測るための倉庫のような場所に溜まっていく。注意ゲートは時間を意識しているかによって開閉しており、倉庫に溜まった量に応じて時間を判断している。電車は発車時刻が表示されており、信号は待ち時間のメーター表示などがあるため待ち時間がイメージしやすい。一方でエレベーター待ちの場合、残り時間の表示がなく待ち時間が予測が不能。また、別の階で乗り降りが発生して期待を裏切られると時間に注意が向きやすく体感時間を長く感じる。更に電車や信号は景色の視覚情報が多い一方、エレベーターは扉しかないため時間に注意が向きやすい。イライラ対策は付近に視覚情報を増やすことで時間経過に注意を向きづらくすること。例えばエレベーターホールに鏡を設置することで身だしなみチェックなどに気を配り時間に注意が向かない。エレベーター以外の工夫としてサービスエリアにある挽きたて珈琲の自販機は製造工程が見えることで時間経過に注意が向きづらい。病院などでBGMやラジオが流れているのも同様の理由。