今月8日午後4時半過ぎに発生した日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震では、宮崎県日南市で震度6弱の揺れを観測したほか、九州から四国の各地に津波が到達した。この地震を受けて、気象庁は“南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて高まっている”として、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。マグニチュード7以上の地震が発生したあと、7日以内にマグニチュード8以上の地震が発生する頻度は数百回に1回程度だとしたうえで、“必ず巨大地震が発生することを伝えるものではない”としている。今月8日の地震以降、日向灘や大隅半島東方沖では地震が起きている。また、深部低周波地震と呼ばれる小規模な地震活動が紀伊半島に加え伊勢湾でも発生し、付近のひずみ計でも変化が観測されているが、これまでも繰り返し見られている現象だという。このため南海トラフ地震の想定震源域では、地殻変動や地震活動にこれまでのところ特段の変化は観測されていないとしている。国は巨大地震に備えて防災対策の推進地域に指定されている市町村に対して、地震発生から1週間は地震への備えを改めて確認してほしいと呼びかけている。