自民党派閥の裏金事件で、派閥幹部やキックバックを受けていたほとんどの議員は立件されなかった。政治資金規正法には課題がある。政治資金規正法は政治活動に使われた資金の収支を国民がチェックできるよう収支報告書に書いて公表することを軸に制度が作られている。記載や作成の義務を会計責任者を務めている秘書などに負わせていて政治家は責任を問われない仕組みになっている。罰則対象は報告書の作成者などとなっている。派閥はパーティー券という形で企業や団体から献金を受け取ることができ、購入者の資金を公表する基準もゆるくなっている。今の収支報告書はデータ分析がしづらくなっているという課題もある。政策活動費は政党から議員に支給され、議員に収支の公表義務はないため、不透明な政治資金の温床になっていると指摘されている。自民党は政治刷新本部の中間とりまとめで、派閥の政治資金パーティー禁止、外部監査を義務づけ、政治資金の透明化・公開性の向上などとされている。日本大学の岩井奉信名誉教授は、収支報告書を誰もが分析しやすい形で公表、監査する第三者機関を設置し監督すべきだとし、これらは欧米で導入が進んでいて日本でも検討すべきだと指摘している。