- 出演者
- 南利幸 清水敬亮 井上二郎 赤木野々花
オープニング。
日韓首脳会談について。APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議のため、ペルーの首都・リマを訪れている石破総理大臣。日本時間のけさ、韓国・尹錫悦大統領と約50分間、首脳会談を行った。石破総理は「大統領と私との間で、この日韓関係を未来に向け、さらに確固たるものにしたいと思う。最近の北朝鮮の動きを含め、私どもを取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、日韓、日韓米の協力を継続的に強化していくことは重要な課題だ」と述べた。これに対し、尹大統領は「ロシアと北朝鮮との軍事協力により、地域と世界の情勢が緊迫化している。韓国と日本の緊密な連携がいつにも増して重要になっている今、こうした会談を行うことには格別な意味がある」と述べた。会談で両首脳は、北朝鮮が核ミサイル開発やロシアとの軍事協力を進めていることへの懸念を共有するとともに、日韓両国や日米韓3か国で引き続き協力していくことで一致したものとみられる。また、来年の国交正常化60年を見据え、首脳による相互往来、シャトル外交も活用しながら、緊密に連携していくことを確認したものとみられる。
日韓首脳会談を前に、最終日の討議が行われたAPEC首脳会議。この中で石破総理大臣は、ロシアによるウクライナ侵攻について「法の支配に基づく国際秩序に対する明確な挑戦だ」と非難した。その上で、ロシアと北朝鮮が軍事協力を進めていることに深刻な懸念を示し、「一日も早くウクライナで公正かつ永続的な平和を実現する必要がある」と強調した。また中東情勢を巡り「緊迫化と危機的な人道状況を強く懸念する。すべての当事者に最大限の自制と国際法の順守を強く求める」と述べた。
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2日間の日程を終えて閉幕したAPEC首脳会議では、貿易や投資、持続可能な成長などをテーマに議論が行われた。各国の首脳からは、関税の引き上げなどを掲げる米国・トランプ次期大統領の就任を前に、保護主義的な傾向への懸念を示す意見が相次いだ。
政治部・西井建介記者の解説。「石破政権で日韓関係に変化は」について。日韓関係の改善の流れは、岸田前総理と尹大統領の下で作られたが、石破総理としてもこれをより確かなものにしたいと考えている。一方で両国の間には、太平洋戦争中の徴用を巡る問題など、依然として懸案が残っている。政府関係者は「尹政権が韓国国内の世論の影響で対応を変えないか、注意深く見続ける必要性は変わらない」と話している。「米国・トランプ次期政権が与える影響は」について。トランプ次期政権の対アジア戦略はまだ不透明で、現時点で影響は見通せない。ロシアと北朝鮮の軍事協力の進展などでアジア情勢は悪化していて、日韓双方にとって、米国との同盟関係による抑止力がより重みを増している。石破総理としては、国際社会の平和と安定にとってアジア地域が重要なことをトランプ氏に伝えつつ、日米韓3か国による連携の維持強化を図っていきたい考え。
石破総理大臣は日米同盟の維持強化に向けて、米国・トランプ次期大統領との“個人的な信頼関係の構築を急ぎたい”としていて、国際会議のため今回、ペルーとブラジルを訪れたあと、米国を訪問して会談することを調整してきた。政府関係者によると、トランプ氏側から「民間人が政府の許可なく他国と交渉することを禁止する国内法があるとして、就任前に各国首脳との正式な会談は行わない方針が伝えられた」という。加えて日程の調整も難しいとして、会談は見送られることになった。石破総理大臣としては、トランプ氏が来年1月に大統領に就任したあと、できるだけ早期に対面での会談を実現するため、今後も働きかけを続けることにしている。ペルー・リマの映像。
米国・トランプ次期大統領は15日、新政権におけるホワイトハウスの報道官に、キャロラインレビット氏を起用すると明らかにした。レビット氏は大統領選挙でトランプ陣営の広報を担当していた27歳の女性で、米国メディアによると、史上最年少の報道官となるという。トランプ氏は、新政権の重要ポストの人事を次々と発表しているが、このうち国防長官への起用が発表された元軍人のヘグセス氏について、複数のメディアが、過去に性的暴行の訴えで警察の捜査を受けていたと報じている。また、司法長官への起用が発表されたゲーツ前下院議員は、未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った疑いなどで、当局の捜査を受けたことがある。いずれも疑惑を否定しているが、2人はこれまでトランプ氏を支持する姿勢を鮮明にしてきたことから、米国メディアは「トランプ氏が重要ポストを自身に近い人物で固めようとしている」として、人選を疑問視する見方も広がっている。
米国・バイデン大統領と中国・習近平国家主席による1年ぶりの首脳会談が、南米・ペルーで始まった。現地から中継。バイデン大統領と習近平国家主席による米中首脳会談は、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に合わせてペルーの首都・リマで、日本時間午前6時ごろから始まった。習主席は会談の冒頭、「両国関係を安定的かつ持続的に発展させるため、力を尽くすという目標に変わりはない」と述べた。米中両国は、中国が統一を目指す台湾や、南シナ海の情勢、米国による先端半導体の輸出規制などを巡って、鋭く対立してきたが、去年の首脳会談をきっかけに双方の政府高官の往来を増やして、軍どうしの対話も再開してきた。ところが中国への関税の引き上げなどを掲げて米国大統領選挙で勝利したトランプ氏が、新政権に対中強硬派を起用する人事を相次いで発表していることから、関係悪化への懸念が強まっている。中国共産党系のメディアは、選挙直後の社説で「対立よりも対話、分断よりも協力が良いことは、米国国内の政治状況が変わっても、共通認識だ」と強調していて、トランプ氏への警戒感を強めている。
気象情報を伝えた。
知事の失職に伴う兵庫県知事選挙はきょう投票日を迎え、午前7時から投票が始まった。兵庫県知事選に立候補しているのは、届け出順にいずれも無所属で、前参議院議員・清水貴之氏(新人)、前兵庫県尼崎市長・稲村和美氏(新人)、前知事・斎藤元彦氏、共産党が推薦する医師・大澤芳清氏(新人)、レコード会社社長・福本繁幸氏(新人)、政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志氏(新人)、ニュース分析会社社長・木本洋嗣氏(新人)の7人。今回の選挙は、前知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会から不信任を議決され失職したことに伴うもので、立候補者数は過去最多となった。選挙戦では、一連の問題を受けた県政の立て直しや、地域経済の活性化策、子育て支援の在り方などを巡って論戦が交わされた。投票は午前7時から始まっていて、午後8時までに締め切られ、即日開票される。
お産の危機。切迫早産などリスクの高い妊婦を受け入れるMFICU(母体胎児集中治療室)と呼ばれる集中治療室について。主に地域の拠点となる100か所余りの病院に設けられ、リスクの高い妊婦や赤ちゃんの命を守っている。ところが今、MFICUで医師が不足している。全体の2割近くが国の要件を満たせない事態となっていることが分かった。これによって、病院の収入が減り、医療を維持できるのか、現場の危機感が強まっている。高知県で唯一のMFICUがある高知医療センター。切迫早産や持病があるリスクの高い妊婦などを、年間50人ほど受け入れている。MFICUには、医師や看護師の手厚い体制が必要で、国は体制整備のため、通常の入院より高い診療報酬を支払う仕組みを作っている。報酬を受けるには、専任の医師を配置するなどの要件を満たさなければならない。高知医療センターでは夜間や休日に医師が専任で対応できず、人手が足りない場合は、自宅で待機する医師を呼び出す体制を取っている。国の診療報酬の要件を満たすには、夜間や休日にさらに多くの医師を確保する必要があるが、日中の体制が手薄になってしまうため、難しいという。国の診療報酬要件を満たせない病院は相次いでいて、専門の医師の団体の調査では、MFICUを持つ全国100余の医療機関のうち、2割近くとなる18か所に上っていることが分かった。日本大学医学部・田倉智之主任教授は、医師の確保や病院への財政支援が必要だと指摘する。
きょう、東京・渋谷区ではパラスポーツの理解を深める体験型のイベントが行われる。東京体育館から中継。パリパラリンピック競泳金メダリスト・鈴木孝幸に話を聞く。
ヒマラヤ山脈の麓にあるブータンについて。ブータンは国を挙げて環境問題に長年取り組んでいて、温室効果ガスの吸収量が排出量を上回るカーボンネガティブを実現しているとされている。しかし、世界的な気候変動によって、今ブータンでは人々の暮らしに影響が広がっている。そうした状況を世界に知ってもらうため、先月、国がウルトラマラソンを開いた。世界各国の選手たちに、気候変動によって、国内で起きている異変を体感してもらおうというもの。レースに密着。マラソンの舞台はヒマラヤの山岳地帯。米国やドイツなどから16人のトップランナーたちが集まった。平均標高4200メートルのコースは、酸素濃度が平地のおよそ半分。世界一過酷なレースともいわれている。レースを主催したブータンでは、憲法で国土の6割の森林保護を明記。環境保全を重視したうえで、文化や経済の振興に取り組んできた。しかし、近年の気候変動の影響で、国民の生活が脅かされている。1994年には、土石流が100キロ離れた都市部まで到達し、21人が亡くなる災害が発生。原因は、山岳地帯で氷河湖の水量が増えたことによる決壊だった。その後も温暖化で氷河の融解が進み、たびたび決壊が起きている。さらに、当時の4倍の規模の災害が起きるとの警告も。COP29では途上国の温暖化対策への支援を増やせるかが焦点の1つ。
気象情報を伝えた。