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- 桑子真帆
オープニング映像。自民党派閥と裏金事件、実態は?改革の行方不?組織的な裏金づくりはなぜ?
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自民党の政治刷新本部、きのう中間とりまとめ案が大筋で了承された。外部監査の義務づけや、議員の処分厳格化など。派閥についてはカネと人事からは完全に決別することなどが盛り込まれている。政治とカネの問題を繰り返さないために何が必要なのか?解散を決めた安倍派の越智隆雄衆院議員は、派閥と相談しながら適性に処理してきたと思う、派閥解散はやむをえないと考えている。安倍派清和政策研究会の創設者・福田赳夫元首相は越智氏の祖父。今回の事件は清和という派閥の名前に込められた理念を踏みにじってしまったと考えている。清和とは政治が清らかにして人は和すという意味が込められているという。一方、派閥解散は必ずしも問題解決につながらないとしている議員もいる。麻生派の井上信治衆院議員は派閥による資金集めは見直しが必要だとしつつも、政策立案や人材行育成などの役割は重要だという。
組織的な裏金作りはなぜ行われていたのか?多額のキックバックを受けていた安倍派の議員が相次いで会見した。おととしまでの5年間で6億7500万円あまりのパーティー収入を裏金化していたとみられる安倍派。安倍派のパーティー券を売っていた現職議員の秘書は、所属議員には当選回数や役職に応じて販売ノルマが課せられていたと証言する。派閥のパーティーは支持者にとっても魅力があったという。パーティー券は1枚2万円、販売ノルマを越えて集めた分の収入は議員側にキックバックされる仕組みだった。こうした資金は派閥や議員側の収支報告書には記載されず国民から見えない形になっていた。安倍派では裏金化が20年ほど前から続いていたとされる。自民党での議員活動などの支援に携わってきた関係者は領収書のいらない裏金は政治家にとって便利な存在だという。地盤や資金力のない若手議員には派閥のパーティー券を積極的に売る理由があった。最大派閥だった安倍派は安定収入を確保してきた。こうした運用は派閥と議員側それぞれにメリットがあったという。
36年前に発覚したリクルート事件を受けて、政治資金規正法が改正された。三原朝彦元衆院議員はこのときの政治改革が不十分だったことが、今回の問題につながっていると考えている。三原氏は当時、改革を提言した若手グループの一人だった。このときの政治改革の一つが企業団体献金の規制。派閥は企業献金を受けることが禁止された。しかし、抜け穴として残ったのが政治資金パーティーだった。パーティーは自民党の主要5派閥全てで最大の収入源となっている。献金は5万円を超えれば氏名が公表されるが、パーティー券は20万円を超えなければ公表されない。5派閥のパーティー収入の8割以上は購入者が分からない形になっている。これが裏金化を容易にさせていると指摘されている。三原氏は政治資金パーティーについても議論を深めるべきだったと考えている。
自民党・無派閥の西野太亮衆院議員は改革案を検討する党の政治刷新本部のメンバー。派閥のあり方だけでなく、政治とカネの問題への実効性のある対策を示さなければならないと考え、若手議員と議論を重ねている。
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自民党派閥の裏金事件で、派閥幹部やキックバックを受けていたほとんどの議員は立件されなかった。政治資金規正法には課題がある。政治資金規正法は政治活動に使われた資金の収支を国民がチェックできるよう収支報告書に書いて公表することを軸に制度が作られている。記載や作成の義務を会計責任者を務めている秘書などに負わせていて政治家は責任を問われない仕組みになっている。罰則対象は報告書の作成者などとなっている。派閥はパーティー券という形で企業や団体から献金を受け取ることができ、購入者の資金を公表する基準もゆるくなっている。今の収支報告書はデータ分析がしづらくなっているという課題もある。政策活動費は政党から議員に支給され、議員に収支の公表義務はないため、不透明な政治資金の温床になっていると指摘されている。自民党は政治刷新本部の中間とりまとめで、派閥の政治資金パーティー禁止、外部監査を義務づけ、政治資金の透明化・公開性の向上などとされている。日本大学の岩井奉信名誉教授は、収支報告書を誰もが分析しやすい形で公表、監査する第三者機関を設置し監督すべきだとし、これらは欧米で導入が進んでいて日本でも検討すべきだと指摘している。