長期金利が上昇している。1%をつけ、日銀の黒田前総裁が大規模緩和を始めた翌月の2013年5月以来、11年ぶりの高水準。長期金利はこの1年で2倍以上になっており、今週に入り3日連続で更新。背景にあるのは先月日銀の植田総裁の会見で金融緩和策を早期縮小するのではとの観測。先月26日、日本銀行・植田総裁は物価上昇への影響は無視できるとの発言は市場に日銀は円安を容認していると受け取られ、一時1ドル=160円を突破。政府日銀は市場介入に踏み切ったものとみられている。ただその後も歴史的な円安は続き、今月7日に植田総裁は岸田総理と会談。植田総裁は「為替についても議論した」。10日の経済財政諮問会議では民間議員から日銀に対し「円安圧力を緩和するよう」求める声が民間議員からあがった。こうしたことから日銀は来月の会合で国債の買い入れ額の減額や、追加利上げなどの観測が市場で強まっている。このため日本の国債が売られ、長期金利が上昇している。今後も長期金利の上昇が続けば住宅ローンの固定金利が引きあがる可能性がある。