日銀の植田総裁は名古屋市で行った講演で、アメリカの関税措置を巡る不確実性は低くなっていて、企業収益も高水準が維持される見通しだと述べた。また、今年度の最低賃金が過去最高の伸びとなり、連合・経団連が春闘に向けて賃上げの定着に向けた方針を示すなど、賃上げのすそ野が広がる動きも見られると指摘した。その上で“利上げの是非について適切に判断したい”と延べ、利上げについて“今の経済情勢での利上げは景気を冷やすものではない”という認識も強調した。日銀は今年1月に利上げしたあと、6会合連続で政策を維持していて、今月の会合での判断が焦点となる。発言を受け、金融市場も反応した。外国為替市場では1ドル155円台半ばまで円高ドル安が進み、東京株式市場では輸出関連銘柄に売り注文が出て日経平均株価は一時900円を超える下落となった。債券市場では金利が上昇し、長期金利の代表的な指標である10年ものの国債利回りが1.85%まで上がり、2008年6月以来の高水準となった。
