日本の航空市場の存在感が低下していることについて伊藤さんは「日本にいると日本国内の需要に比べてインバウンドの勢いがあるので、非常に勝っているのではないかという印象があるが、グローバルな旅行需要の伸びと日本のインバウンドの伸びはだいたい同じくらいの感じなんです。グローバルに旅行が伸びている理由は、グローバルサウスが豊かになっているから。人口構成・地理的要因を考えると地位の低下はある程度はやむを得ないのではないかと言えると思う。人手不足の制約もある。ランキングの維持を目的とする政策はなにかというよりは、国内では実質金利の低下で旅行の余力がないとか、円安で海外旅行できないというマクロ環境を改めることが大事なんじゃないかと思う」などとコメントした。中国でお金の行き場がなく国債に集中し金利が低下していることについて石黒さんは「それだけ中国の経済の先行きに対して自信が持てない投資家が多いということで、どうしても株式投資にはお金が向いづらく、安定資産である債権に流れざるを得ないんじゃないかということを示している。当局が警鐘を鳴らしている状態ではあるが、一方でいまの中国は物価上昇率が0.3%ということで国債利回りが今は2%第半ばなので、物価との見合いでいうと国債にお金が流れるのはごく自然なことだと思う。本格的に金利を上げる意味では物価と金利は経済の体温という側面があるので、中国当局がしっかり景気対策をし、中国経済を上向きにさせることができるかどうかにかかっていると思う」などとコメントした。(日経電子版)