NHK首都圏局の中村大祐記者が衆院東京15区補選の注目点について解説。今回の補選は与党の公認候補が不在の中で有権者がどのような選択をするのか注目されている。自民党、公明党は独自の候補者は立てず推薦や支持も出していない。与野党対決とならない構図の中で立憲民主党の酒井氏は、共産党と社民党の支援を受けている。共産党はいったん候補者の擁立を発表したものの共闘するなどとして取り下げた。日本維新の会の金澤は教育無償化を実現する会の推薦を受けている。参政党は吉川氏を擁立。国民民主党と地域政党の都民ファーストの会は無所属の乙武氏を推薦している。元衆議院議員の秋元氏と前の参議院議員の須藤は無所属での立候補。福永氏や根本氏、それに飯山の諸派の3人も立候補した。選挙の争点の1つは今回の選挙のきっかけにもなった政治とカネの問題。東京15区では地元選出の衆議院議員が2人続けて逮捕されたほか、前の江東区長も公職選挙法違反の買収などの罪に問われている。現場で取材する中で「いいかげんにしてほしい」などとうんざりするような声も聞かれた。選挙戦では少子化対策や経済政策などの課題がある中でどのように政治の信頼回復を図っていくのか論戦が交わされる見通しだ。一方、補欠選挙は東京15区以外にも島根や長崎でも行われる。今回の選挙は、去年秋に自民党の政治資金問題が明らかになってから初めての国政選挙になる。東京と合わせた3つの選挙のうち島根1区のみが与野党が対決する構図で長崎3区も東京と同じく自民党が公認候補の擁立を見送っている。選挙結果は今後の政権運営や衆議院の解散戦略に影響を与えることも予想され選挙戦は次の総選挙もにらみながら展開されることになりそうだ。
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