2018年5月14日、重慶江北国際空港からラサ・クンガ空港に向け飛び立った四川航空8633便。コックピットではリュウ・チャンジェン機長とシュー・イー・チェン副機長が操縦していた。正面窓にヒビが入り、リュウ機長は管制塔に成都空港への緊急着陸を要請した。すると窓ガラスが割れ、シュー副機長はコックピットの外に飛び出してしまった。気温は-40℃、ナイフで刺されるような痛みが全身を貫いていた。リュウ機長はガラスが割れた衝撃で聴力を一時的に失っていた。その後コックピットのドアが開き、機内は一気に-40℃になった。高度1万メートルで、酸素濃度は地表の3分の1以下だった。