日本製鉄は中国の鉄鋼メーカー「宝山鋼鉄」との合弁事業から撤退する方針を固めたことが明らかになった。日本製鉄は2004年に宝山鋼鉄との間で合弁会社を設立し自動車向けの鋼板の製造や販売を行ってきた。関係者によると合弁契約の期間がこの夏に期限を迎え、日本製鉄は契約を解消する方針を固めたという。中国市場ではEVの普及に伴って日本の自動車メーカー各社が販売で苦戦し撤退などの動きも出ている。こうした中、日本製鉄は今後の事業の成長が難しいと判断したものとみられる。日本製鉄は1970年代に日中経済協力の柱として中国に対し技術支援を行い、中国の鉄鋼産業の近代化に大きな役割を果たしたが、およそ半世紀にわたる関係は大きな節目を迎えることになる。