日銀と埋蔵金(日銀が保有するETF=上場投資信託)について。ETFには色々な企業の株式が組み入れられている。日銀は金融緩和策の1つとして、2010年からETFの買い入れを始めたが、額が増え続け、ことし3月末時点では簿価で37兆円にまで積み上がっている。簿価とは、買った当時の価格。ETFの今の価値は時価にすると74兆円になる。この含み益が埋蔵金といわれている。活用方法は3つあるとみられている。1つ目は「希望する国民に販売する」。過去に香港の金融当局が行った実績がある。2つ目は「政府が買い取って財源にする」。ETFから得られる分配金を子育て支援などに使うといったアイデアが出ている。3つ目は「市場で売却」。売った際の利益は、最終的には国民に還元される。ただこの場合、大量の株を売ると市場が混乱するというリスクが指摘されている。ある日銀幹部は「処分を急ぐ必要は全くない」と話している。一方でニッセイ基礎研究所・井出真吾主席研究員は「金融緩和策で生まれた資産は国民の資産、国民の利益につながるよう議論すべき」と指摘。ただ、埋蔵金は株価が大きく下がれば含み損になることにも注意が必要。どのように活用すれば将来につながるのか、幅広い議論が求められている。