株価乱高下の背景について、経済部デスク・大久保智が解説「かつてない下落のあと、大きく反動したが、実際のところ、きょうの株式市場は、周りを見て、安全が確認できたので、横断歩道を渡ったという感じ。何を確かめたのかというと1つは米国経済。5日はダウ平均株価が大幅な下落になったが、この日に発表された米国の非製造業の景況感指数は市場予想よりもよかった。強い警戒感は和らいた。次に確かめたのが、為替市場の動向。日銀の追加利上げや植田総裁がさらなる利上げの可能性に触れたのをきっかけに円相場は一時、141円台まで円高が進んだが、きょうの朝方には米国の経済指標の内容がよかったこともあって、一時4円程度も円安の方向に動いていた。さらに警戒感が薄れて、値下がりしている銘柄を買おうという勢いがついて、買い注文が殺到したという状況」。経済部デスク・大久保智が解説:今後の見通しについては「ある専門家は、長い目で見れば、株価は下落トレンドには入っていない。米国経済の先行き不安を和らげる材料が出てくれば、落ち着くのではないかと見ている。別の専門家は、今も不安心理がとても高い状況。さまざまないい材料がそろわないと、正常な動きには戻らず時間がかかりそうだと見ている。最大の下落から最大の上昇に変わったので、これほどの乱高下はない。専門家も先が見通しにくい。ただ、きょうで混乱を完全に抜け出したとはいいにくい。しばらくは不安定な値動きが続く可能性もあるので、経済の現状や金融政策の行方、企業の業績を冷静に見ていく必要がある」。