きのう自民党で政府が保有するNTTの株式の売却を巡って検討が始まった。防衛費増額の財源を賄うためで、今後はNTT法の改正などの是非も争点となる見通し。NTT法は1985年のNTT民営化にあわせて作られた「政府が株式の1/3以上を保有することを義務付ける」などの法律。海外企業との競争で“制約”になっているとの指摘もあり、NTTの島田社長は「整備されてから時間も経っていて今の時代にマッチしていない部分も出てきている。議論を進めるべき。」と話した。例として固定電話の全国一律サービスは契約数がピークの1/5まで減少し、2021年度は500億円余の赤字となっている。一方、世界の企業との競争は激しさを増していて、NTTは強化分野である次世代の通信ネットワーク“IOWN”などに資金を集中させて経営効率を高めたい。IOWNは消費電力が従来の1/100になる技術で2030年の実現を目指して開発を急いでいる。NTT法の改正についての課題は、重要な通信インフラを担うNTTの株を海外企業が買い増すことで影響力を強めることにならないかという経済安産保障の懸念と、巨大なNTTと他の企業の公平な競争をどう担保していくのかということも指摘されている。NTT法改正を巡っては今月28日に総務省の審議会で議論が始まり、来年夏頃に取りまとめられる予定。