伊藤さんは日産の工場削減のニュースについて「全世界のオペレーションの見直しの一環ということで、マクロ的には好調なアメリカだが、販売不振・生産調整ということ。マクロ的に低調なヨーロッパでも自動車業界のオペレーションの見直しは今回の日産の北米事業よりもより抜本的な見直しが進んでいる。自動車産業はいまEVシフトが進んでいて、技術的な転換期・移行期にあることも関わっていると思う。市場環境の短期的な変化に柔軟に対応するのも大事だし、将来に向けた着実な布石を打っていくというのも必要で正念場を迎えている印象」などとコメントした。安田さんは「スピンオフ」について「日本でもコングロマリット企業はディスカウントされる傾向にあり、今後日本でも不採算事業の売却が進むことが鍵になってくると思う。今後日本企業はROAをいかに上げていくかという文脈で、昨年は自社株買いの増加などレバレッジ議論が盛んに進んだと思うが、本業の収益性であるROAをいかに上げるかというのが最大のポイントになってくると思う。ROAを上げる一つの政策としては、コングロマリットディスカウントになっている企業については不採算事業を売却し、経営資源を稼ぐセグメントに集中投資することがポイントになると思う。日本企業は長年、事業再編のようなことが苦手だったと思うが、東証改革の進行などもあり、いよいよ日本企業も動き出す可能性があるんじゃないかとみている」などと話した。