日銀・植田総裁が就任し先週で1年が経った。17年ぶりの実質的な利上げでマイナス金利政策解除に踏み切るなど、新たな日銀総裁のもと大きな転換点を迎えた日本経済を外国人投資家はどう評価しているのか。50年以上日本株に投資してきたヘッジファンドマネージャーに聞いた。ジェイミー・ローゼンワルド氏は「金利のかじ取りで素晴らしい仕事をし、日本経済の成長を後押しした。植田総裁は今後も景気刺激型の金融政策を続けていくだろう。日本企業の成長を後押しし、中国だけでなく東南アジアやインドへの進出も加速させるだろう。今後は先々のインフレ指標を見ながら年末までにあと1回利上げするかもしれない」と話した。この1年、円安の進行や中国経済の減速などを背景に日経平均は初めて4万円台を突破するなど、株式市場も大きな節目を迎えた。今後の日本株のポテンシャルについてローゼンワルド氏は「日経平均は今後1年半で5万円突破、あるいは25%以上上昇する可能性がある。多くのセクターで日本企業の株価はまだ信じられないくらい割安だ。製造業全般で日本企業は存在感がある」などと話した。一方で留意するリスクとして「1つ目は東京が大地震に見舞われること、2つ目は政治的スキャンダル、3つ目は中国による台湾侵攻」などと3つの要素を指摘した。