岩井コスモ証券・林卓郎氏が解説。林さんのきょうの日経平均予想レンジは37400円~37800円。林さんは「アメリカ市場でも高値警戒感に押される展開。東京市場も冴えない値動き継続しそう。G7後に開催が見込まれる日米通商協議を控えて円高警戒も払拭しづらい。4月以降の回復が順調すぎたとみられしばらく値固めが必要な場面」などと述べた。きょうの注目ポイントは「自社株買いのインパクト」。林さんは「過去、短期波乱の場面から早期回復したケースと比べ、相互関税ショックからの戻りはコロナ禍など急反発となった例に匹敵する勢い。加熱警戒から数ヶ月レンジ相場が続く可能性も感じる。年初から不審の続いた日本株が優位性を取り戻す流れになった。自社株買いに代表される資本効率改善の効果が背景になっている。自社株買いは株式受給やROEの向上を通じて株価に好影響を及ぼしやすいとされるが、上場企業の自社株取得枠の設定は今年5月半ばまでで11兆円を突破。過去最高となった昨年の同時期3割以上上回り一段加速。時価総額に対する比率も過去最高水準。株価へのインパクトも大きい。利益還元というなかで自社株買いと配当合わせた金額は当社資産で今季8割前後に達する可能性があり、2024年の米国並みとなることが期待される。日本企業は株主への利益還元に消極的で内部留保が強い点が批判の的となってきたが急速にキャッチアップする傾向。この傾向は今後定着する可能性が高い。成長投資の積極化や企業再編の加速という流れも考慮すると日本企業への評価がより高まることが期待できそう」などと述べた。