今、通信制高校で生徒が急増している。今年度、通信制高校に通う生徒というのは29万人余り。高校生全体に占める割合というのは10年間でおよそ1.7倍に増えて、高校生の今11人に1人が通信制の生徒ということ。また通信制高校の数自体も公立私立合わせて303校で過去最多となっている。通信制高校は自宅で教科書を使って自習したり、オンライン授業を受けたりして必要な単位を取得すれば、卒業できる。そもそも通信制は進学せずに就職した勤労青年が教育を受ける機会を持てるようスタートして昭和36年に制度化されたものでNHK学園も通信制高校の1つ。なぜ今、生徒が増えているのだろうか。要因の1つに不登校の増加があるといわれている。文部科学省によると不登校状態にある中学生の数はおよそ19万4000人、10年前のおよそ2倍になっている。不登校となった中学生の進学先として通信制高校が受け皿になっている。そしてさらにコロナ禍をきっかけにオンラインで授業を受けることが一般的になったことも影響している。専門家、早稲田大学人間科学部・森田裕介教授は「必ず学校に行かなければいけないと思っていた生徒たちが通信制という別の選択肢を選びやすくなった」と指摘している。通信制高校で学ぶ生徒を取材すると、多様な学びの姿が見えてきた。