太平洋戦争末期、民間人を巻き込んだ悲惨な地上戦となり、県民の4人に1人が犠牲となった沖縄。あれから79年が経った昨日、沖縄は「慰霊の日」を迎えた。沖縄戦の戦没者ら24万人余の名前が刻まれている「平和の礎」では朝早くから遺族などが手を合わせる姿があった。訪れた人は「私たちみたいな死に方はしないでほしいという慟哭が聞こえる」「戦争反対だね」等と話した。糸満市で行われた追悼式には約4500人が参列。来賓あいさつを行った岸田総理大臣は「沖縄の皆さまには米軍基地の集中等による大きな負担を担っていただいている」と述べた上で基地負担軽減に全力を尽くすとの考えを示した。一方、玉城デニー知事は「基地問題の早期解決を図るべき」と述べた。沖縄が抱える普天間飛行場の辺野古移設をめぐる問題が大きな転換点を迎えようとしている。今月16日に行われた沖縄県議会選挙では現職の玉城知事を支える県政与党が敗北し過半数を割り込む結果となった。少数与党となり厳しい県政運営を迫られる玉城知事。2018年、沖縄県知事に当選した当時から普天間飛行場の辺野古施設に反対の意を示し、周辺住民との抗議活動も積極的に行ってきた。沖縄県が2019年に行った辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票によると、埋め立て反対は約72%を占めている。2月、辺野古への移設計画で工事を反対する県に変わって国が承認する「代執行」をめぐる訴訟で県側の敗訴が確定。移設計画は大きく前進した。県民からは「あんなにきれいな海をなんで埋めていくの。ただ止められなかったら諦めるしかない」等の声が。多くの県民が指摘する厳しい経済状況。沖縄国際大学・前泊博盛教授は「観光客が1000万人までいっていたのが280万人くらいまで落ちたので観光収入もかなり落ちた。コロナが沈静化した途端に観光客が650万人ぐらいまで復活した。一方でコロナでダメージを受けた観光業の多くは非正規労働。いわゆるパートやアルバイトの人たちがどんどんリストラされてしまった。その人たちは二度と観光には関わりたくないと思う。これが回復を遅らせている部分でもある」と指摘した。
住所: 沖縄県宜野湾市
URL: http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/
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