最低賃金は年々上昇を続けてきたが、厚生労働省の審議会はきょう、今年度について全国平均の時給で過去最大となる41円引き上げるとする目安を取りまとめ、全国平均で時給1002円となり、初めて1000円を超えた。地域別引き上げ額の目安は、東京などのAランクで41円、北海道などのBランクで40円などとなっている。引き上げの理由について審議会は、賃金の低い労働者の労働条件改善を図ることで、経済の健全な発展に寄与するなどとしている。4人のアルバイトを雇っている東京・渋谷の焼肉店では東京の最低賃金より8円高い1080円を基本に経験に応じた額を支払っている。今回の引き上げで経営がさらに厳しくなるとしている。那須辰也店長は、商品の仕入れ値も上がっているし、どこを切り詰めるか考えなくてはならず厳しい等と話していた。大和総研の神田慶司シニアエコノミストは、人件費が増加して企業負担と捉えがちだが、価格転嫁をして付加価値の高いサービスを提供できれば経済全体でみても成長率を引き上げる効果がある、と説明していた。