平日の夜、多くの人で賑わう三重・伊勢市のバー。いま伊勢では夜の誘客に力を入れている。全国各地から参拝客が訪れる伊勢神宮。去年は約750万人が訪れた。しかし「伊勢には泊まらない」と言う人が多い。去年伊勢市に宿泊した観光客はわずか1割。背景には近隣の鳥羽市・志摩市など他の街への宿泊や、伊勢市内の宿泊施設の不足などがあるという。いま伊勢市では伊勢神宮の伝統行事「式年遷宮」を8年後に控え、新しいホテルの建設が進んでいる。江戸時代問屋街として栄えた伊勢河崎にも新たな動きが。町屋を改装したホテルがこの春にオープン。町家を改修した部屋が町のあちこちにある。最大の特徴は夕食を提供せず町歩きを楽しんでもらうこと。フロントでは店の情報が載ったマップを用意するなど、街全体を楽しめるように工夫している。古民家を活用した店では、ホテルのオープン後に夜の客が増えたという。地ビールや伊勢の食材を使った料理でおもてなししている。雑貨店でも夜の時間帯に立ち寄る観光客が増えたそうで、時には営業時間を延長することもあるという。さらに飲食店同士も連携し、夜を盛り上げる取り組みが始まっている。3か月に1度1日に開催される「朔日バル」は、受け付けで1,500円を支払い様々な店で使えるチケット3枚とグラスを受け取る。グラスを片手にイベントに参加する店をはしごすることができる。飲んだり食べたり、夜の伊勢を満喫できる。今後も地域で連携しながら『夜の伊勢』を活性化させたいという。「朔日バル」の次回開催は12月1日(月)の予定。