発見のきっかけはコンピューターの計算にかかる長い待ち時間だった。近畿大にいた北川さんは1990年頃金属と有機物でできた化学物質(錯体)の性質に関わる立体的構造を突き止めようとしていた。ある日しびれをきらした北川さんは計算の途中で化学物質の構造を学生に紙に描かせてみた。すると「先生、穴が空いていますよ」と蜂の巣状の穴が並んでいることが分かった。「非常に面白いと思った。直感で本体じゃなくて穴のほうが使えそう」と語っている。その後北川さんらは実際微小な穴が空いた化学物質を合成した。もし北川さんが長い待ち時間を気にせず、最後まで計算を続けていたら、違った構造が見え、蜂の巣状の穴はわからなかったかもしれないという(朝日新聞)。
