高騰が続く物価について。先週金曜日に発表された2月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いて去年の同じ月より3.0%上昇した。3か月連続で3%台ということで、記録的な高騰が続くコメが押し上げた。生鮮食品も含めた総合の指数は+3.7%。海外の主要国をみると、アメリカが+2.8%、ドイツが+2.3%、韓国が+2.0%、デフレ懸念のある中国は−0.7%(出典:総務省)。ことしの春闘の結果は、2年連続で5%を超えた。野村総合研究所・木内登英エグゼクティブエコノミストは、定期昇給分を除き、連合に入っていない小規模な企業も対象にしたことしの平均賃金上昇率は3.0%程度と予想。生活の苦しさを示すエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は、2024年は28.3%と比較可能な2000年以降では最も高くなった。今の物価について、木内さんは「低所得者層ほど打撃が大きい『悪い物価上昇』が起きている」と指摘。「良い物価上昇」とは、消費が強いために企業が値段を上げることで好循環が起こること。ところが今は物価が高騰した結果、一部で買い控えなどが起きて消費が弱くなる「悪い物価上昇」が起きていると木内さんは言う。対策として、木内さんは「コメであれば備蓄米の放出や投機的な動きを抑えるなど、政策での対応が必要だ」「エネルギーや加工食品は円安の影響が大きいため、円安修正の流れの定着が大事になる」としている。