千葉・木更津市にある古民家「かんでんち」は、塾でも学童でもない子どもたちの居場所で、昼間は地域の人が集うコミュニティースペースでもある。そんなかんでんちに傷ついた心が癒やされた人がいる。近藤桂子さんは月に2回ほどかんでんち料理を作り、ランチを有料で提供している。かんでんちでは、お昼どきに料理を作りたいと思う人が1日単位でレストランを開ける「ワンデイシェフ」という仕組みを作っていて、シェフになる人は1日4500円でちゅう房を借りている。近藤さんがかんでんちで料理を作り始めたのは1年半程前。「いつか一緒にカフェを開こう」と夢を語り合っていた姉を3年前に亡くした近藤さんは、2人の友人だった矢部牧子代表理事から声をかけられて夢を実現するための第一歩としてかんでんちで店を開くことにした。近藤さんの息子の悠人さんはダウン症で、学校がないときに桂子さんのお店を手伝っている。かんでんちの中で悠人さん自身も成長していったという。近藤さんは自宅近くの畑で年間約50種類の野菜を栽培していて、かんでんちでも提供しており桂子さんの料理の強みになっている。姉恭子さんの料理教室に通っていた常連客がレシピを保管しており、近藤さんは姉が残したレシピを使ってかんでんちで出すことを決めた。そうして完成したのが「お姉さんの特別レシピ」。パセリのポテトグラタン、ラタトゥーユチキンベーコン巻き、大根の春巻きなど7品がランチセットになっている。桂子さんは、今日は姉と一緒にできたみたいと語った。