東京・品川区が区立中学の制服を無償化することが分かった。東京の23区では初めてで、来年4月に入学する生徒の区立中学校の制服を無償化する。所得制限はない。来年度の当初予算案に約1億円を計上するという。品川区では、今年度から区立の小中学校の絵の具や習字道具、リコーダーなど学用品を所得制限なしで無償化。さらにおととし4月からは区立学校の給食も無償化していて、来年度からは区立中学校の修学旅行費も所得制限なく無償化する。品川区では区の施設の電子看板(デジタルサイネージ)などを廃止したほか、紙媒体の情報誌を電子化するなどした結果削減できた約20億円を費用に充てるという。中学校の制服無償化について墨田区などに聞いてみたところ、検討していないという回答だった。品川区が制服無償化へ踏み切った理由について、森澤区長は「子育てが自治体、社会から応援されているというメッセージ」と説明。「品川区をきっかけにほかの自治体へと広がって社会全体で子どもを支援していく体制になってほしい」と話している。日本大学・末冨芳教授は「憲法で中学校までは義務教育となっているので、そこにかかる教育費も全部無償なのが理想。国が若い人たちを支援していくべきで、そのうえで各自治体も小さいことでも努力すべき」と指摘する。