岡慎之助選手の”心の強さ”は中学時代から見られたという。岡の恩師・三宅裕二さんによると、度胸をつけるため「君が代」を歌ったという。ところがパリ五輪まで2年というタイミングで岡選手に試練が訪れる。全日本選手権で跳馬の最中に右ひざ前十字靭帯を断裂。全治8か月の大けがをした。岡選手は逆境にめげず、プールでのリハビリでは上半身を徹底的に鍛え抜いた。ロンドン、リオ、東京と3大会にわたって内村航平、橋本大輝が個人総合の金メダルをつないできた。4連覇の期待を背負い、岡選手は連覇を狙う橋本選手と晴れ舞台に臨んだ。最後まで優勝を争った中国・張博恒選手は岡選手に拍手をおくる姿が称賛された。中国メディアは「突如現れたダークホース」と岡選手の快挙を報じている。