東京大学史料編纂所が所蔵し、国宝に指定されている「島津家文書」は、薩摩藩の島津家に伝わるおよそ2万点の古文書。修復の過程で、「歴代亀鑑」という「手鑑」の表紙の布を外したところ、下に文字が透けて見えた。赤外線カメラで台紙を撮影すると文字が見えた。その画像を村井祐樹准教授が分析すると台紙の中で少なくとも50点以上の書状が重なった状態になっているのが確認できた。1630年代に当主の島津家久に宛てられた書状の一部と文章が完全に一致。新たに見つかった書状のほとんどが「御文書」に残されたものと文面が一致しており、その半数近くが原本であるとみられる。村井准教授は「原本の状態があまりよくなかったので写しを作り、汚れていた原本を台紙の中に入れたのかもしれない」とコメント。