- 出演者
- 福澤朗 今田耕司 菅井友香 草野満代
きょうのゲストは、フリーアナウンサーの草野満代。1967年生まれで、津田塾大学時代、NHKでアルバイトしたことをきっかけに、ディレクター志望でNHKを受けたところ、アナウンサーとして採用された。1989年に、NHKに入局し、28歳で「紅白歌合戦」の総合司会に抜擢された。30歳でNHKを対局し、「筑紫哲也NEWS23」のサブキャスターに就任した。趣味の茶道は、27年続けていて、骨董にも興味を抱き、買い集めている。かつては、鑑定団のスピンオフ番組で司会を務めた。前回、鑑定団に登場した時は、10万円で購入したという皿を持ち込んだが、鑑定結果は1500円だった。
草野満代が持ち込んだのは、御本茶碗だ。東京の骨董市で、80万円で購入したという。本人評価額は、100万円。鑑定結果は、250万円だった。江戸時代前半に、朝鮮半島でつくられた御本茶碗に間違いないという。綺麗さびといわれるきりっとした姿をしている。書かれている「てるといひ」は、歌銘と言い、和歌の最初の5文字を銘にしたものだという。
依頼人の熊井さんが働く福岡市博多区の焼肉定食専門店チエちゃん。「和牛シャトーブリアン定食」は、シャトーブリアンのほか、和牛上ロースやフランス産のフォアグラなどがセットになって、30800円。熊井さんは、ニューヨークで小学校教師として働くことになったという。熊井さんが依頼するお宝は、チエちゃんの社長が20年ほど前のトルコ旅行で、200万円で衝動買いしたもの。
熊井さんの依頼するお宝は、トルコ絨毯。ヘレケ産で、シルク100%でできているという。トルコ絨毯は、長い歴史を持つ伝統工芸。現存最古のトルコ絨毯は、13世紀、セルジューク朝の首都・コンヤにあるモスクに敷かれていたもので、幾何学文が施されている。オスマン帝国時代には、ヨーロッパに輸出され、珍重された。トルコ結びは、強度が高く、使えば使うほど目が締まり、丈夫になるが、制作には多くの手間と労力がかかる。文様は、幾何学文や鳥獣文など多彩。世界最高級とうたわれるのが、ヘレケ産。19世紀、オスマン帝国の君主がヘレケに工房を設立し、宮廷用などとしてシルクの絨毯を織らせた。依頼品は、縦横約45センチで、図柄は狩猟文。黒を背景に、王侯貴族が狩りをする様子などが織り込まれている。
200万円で買ったトルコ絨毯は80万円だった。大熊は「間違いなくトルコのヘレケで織られた絹の絨毯。日本では敷物という評価しかなく、サイズが小さいため評価が低い。トルコでは美術的評価があるのでぼったくられたわけではない」などとコメントした。
今回の舞台は岡山県矢掛町。江戸時代、旧山陽道の宿場町として大いに栄え、今も当時の姿をとどめている。旧矢掛本陣石井家住宅は参勤交代で国元と江戸を往来する大名を始め、篤姫が輿入れの際に宿泊した。一段高く設えた上段の間で、長旅の疲れを癒やしたという。去年矢掛で新たな名物として誕生したのがクリームソーダ。まちおこしの一環として町内の飲食店がそれぞれ個性的なクリームソーダを販売したところ、近年の昭和レトロブームと相まって若者の間でバズった。
ネットオークションにハマっている妹尾さんは、20年ほど前からカメラや農機具など欲しいものはネットオークションで落札してきた。お宝は「川合玉堂の掛軸」。5年前鑑定団を観ていた際、伊藤若冲の鶏図や横山大観の富士山図が欲しくなってネットオークションで探し回ったという。そこでこの掛け軸を発見し、6万5000円で落札したという。共箱が二重で、掛け軸が大きいことから本物だと確信したという。鑑定結果は千円だった。安河内は「偽物。構図からして玉堂らしさがない。日本の自然の美しさとそこに生活する人の姿を叙情性を持って描くが、そういう空気感がない」などとコメントした。
続いては熱烈な阪神ファンの高月さん。ほぼ全試合応援に行き、阪神に費やした金額は家一軒分ほどだという。代々梅干し入れとして使ってきた「古備前の壺」。高月さん父によれば桃山時代の名品だという。鑑定結果は50万円。森は「室町時代の後期に作られたものだと思う。窯印や、波状文がいい」などとコメントした。
続いては柔道初段の小野さん。高校2年生の頃に県で優勝したという。お宝は昭和の横綱「大鵬の化粧まわし」。大鵬は優勝32回・45連勝など、相撲史に残る記録を打ち立て、巨人・大鵬・卵焼きという流行語が生まれたほどの国民的ヒーローだ。小野さんの大叔父は二所ノ関部屋で十両までいった力士で、大鵬とは同期で仲が良かったそう。大叔父は26歳の頃に怪我で引退し故郷の佐賀でちゃんこ店を開いたが、化粧まわしはそのお祝いでもらったという。
岡野さんのお宝は乾隆年製の花入。本人評価額は100万円で鑑定結果は5000円。
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- 矢掛町(岡山)
依頼人・石井さんのお宝は、郷義弘の刀。江戸中期に編纂された「享保名物帳」には、刀剣鑑定家・本阿弥光忠らが選定した名刀約250振が紹介されていて、その中で別格とされた天下三作のひとつが郷義弘だ。郷義弘は、生没年すら詳らかでなく、1300年頃に現在の富山県魚津市に生まれ、松倉城城主だったとも、その家臣だったとも伝えられるが、いずれにせよ刀工が本業ではなかったとされる。伏見天皇崩御の際に、刀を献上するよう命じられた。このとき、全国の名だたる刀工18人が同じく命を受け作刀したが、最も優れたものとして天皇のお守り刀に選ばれたのは、正宗の作だった。これに不満を持った郷義弘は、正宗を訪ね、弟子入りを志願した。正宗が完成させた作刀法を数年で極め、正宗十哲の中でも随一の腕前を誇った。反りが深く、刃文はゆったりと波打つような湾たれ乱れで、地刃ともに明るく冴えるのが特徴。国宝に指定されている「富田郷」は、享保名物帳で、値付け不可能という最高評価がついている。郷義弘は、20代半ばで他界したとされ、残された刀は少ないことなどから、郷と化け物は見たことがないと言われた。依頼品は、郷義弘作の「初霜」で、長さは約90cm。銘はないが、現存する刀で、義弘が銘を刻んだものはない。
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- ColBaseすみだ北斎美術館ライザップ 上野店三作享保名物帳伏見天皇佐野美術館刀 〈朱銘義弘(名物松井郷)/本阿(花押)〉刀 無銘 伝江刀 無銘 伝江義弘 (号芦葉江)刀 無銘正宗(名物観世正宗)刀 無銘(名物横須賀江)刀〈無銘義弘(名物富田江)〉刀剣ワールド財団刀(金象嵌銘)江磨上 光徳(花押)(名物北野江)前田利常前田利長前田育徳会厚藤四郎台東区(東京)名物稲葉江堀秀政富田一白徳川家康徳川秀忠春日局本阿弥光忠東京国立博物館東京大学史料編纂所東建コーポレーション松倉城柏原美術館柳川重信正宗白河市歴史民俗資料館稲葉重通粟田口吉光結城秀康脇指 無銘(名物 籠手切郷)豊臣秀吉越中国松倉郷義弘酒井忠績鎌倉(神奈川)魚津市(富山)黒川古文化研究所
依頼品は、郷義弘の刀。本人評価額は、5000万円。鑑定結果は、3000万円だった。郷義弘の刀に間違いないという。室町末期から江戸時代にかけて鑑定を行っていた本阿弥家の見方に照らし、本阿弥に見せても必ず郷と言うであろう刀だという。
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- 郷義弘
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