全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠氏が解説。「居場所」について考えることを通じて、社会のありようを考える。居場所感をいだける場所を「居場所」と呼び、その居場所の中身を解明する鍵は、関係性にあるという。湯浅氏が子供の頃にあったスペースや関係性を今の時代において復活させたい、新たに作り出したいと願う大人たちが行う営みを「こどもの居場所づくり」と呼ぶ。子ども食堂は大人の居場所にもなっている。8割の子ども食堂は参加条件がなく、公園のように来る人すべてを受け入れ、結果的に6割以上の子ども食堂には高齢者も参加している。目指しているのは、どこもとどこかが両立した状態。どこもとどこかが十全に満たされたとき、つながりを感じながら幸福に生きられる社会になるという。湯浅氏は、それが社会が目指すべき新しい経済成長の形でもあると話す。人生は認められることが起点であり、認められることに主眼をおく場所に居場所感を抱くという。そして、いま必要なのは「認められるからがんばる」という回路を日本社会に復活・再生させることではないか、と指摘した。