愛媛県西予市でトイレ・風呂の水再利用実験という記事を紹介。生活で使った水を家で浄化して再利用するという実証実験で、今年8月から始まった。住宅に設置された黒い装置で水処理を行い、殺菌処理を行うことで飲んでも問題がないレベルまで浄化されるということ。実験は毎日の利用量や水質に関するデータを取って水道の代わりに利用できるかどうか検証する。今回実験が行われているのは水道が整備されていない地域で、住民は山の湧水を生活用水として使っていたが水を安定して確保できないのが悩みだった。愛媛では人口の6%あまりがこうした地域に在住していることから、県は他の地域でも導入できないか検討しているということ。水道インフラは今危機的な状況にある。法定の耐用年数を超えた水道管は地球約4周分あり、厚生労働省は今後30年で水道管の更新に必要な費用は33兆円を超えると試算している。一方で人口は減少しているため、水道事業の収入は年々減少している。このため水道管の維持や更新に必要な費用を水道事業の収入だけで賄うのは難しく、愛媛では令和40年度までにあわせて2800億円が不足する見込み。これに対して装置は水道管を必要としないため、コストを抑えることができる。ただ、理解が得られるか、どのくらいコストが削減できるのかの検証が課題となっている。