広島県の山あいにある広島県立加計高校は1学年1クラス、全校生徒113人の小さな高校だが10年前には廃校寸前に追い込まれていた。現在一般入試の志願倍率は広島県内で2年連続1位の人気校という。高校がある安芸太田町は人口5500人、年々過疎が進み子どもの数は減少している。以前は安芸太田町にはJR線が通っていて広島市内から電車通学が出来たが2003年一部が廃線、最寄りの加計駅は廃止となり町外から通うことが難しくなった。当時の加計高校は生徒数過去最低の90人で県内では統廃合を検討する80人に迫っていた。危機感を抱き立ち上がったのは町の人々、加計高校を育てる会を発足、廃校寸前から街ぐるみで人気1位になった高校の逆転劇を紹介。加計高校は県立高校だが広島県に働きかけ特定校として全国から生徒を募集できるようにした。町が下した大きな決断が学生寮「黎明館」を2年前に5億円をかけ全額町費で寮を建てた。生徒の部屋には冷蔵庫、棚、エアコン、机などが備え付け、寮費は2食付き、無料Wi−Fi完備で1か月4万円で全室1人部屋で定員は60人という。この寮ができたことで女子生徒が増え半数以上が女子生徒になった。「加計高校を育てる会」が費用を捻出し、塾まで設立、塾の授業料は無料という。町をあげて高校を支援し続けた結果、町民の転出人数は減りわずかだが人口減少率も少なくなってきているそう。生徒が口を揃えて言う最大の魅力がほぼ無料で行くことができるハワイ留学だという。